自作の余興ムービーが身近に
さまざまな環境を整える必要がありますが、パソコンやスマホを含め便利な電子機器が身近なものになり、自分で動画編集をして動画サイトにアップロードしたり、SNSで動画を共有したり、結婚式で使う余興ムービーのDVDの制作したりできるようになってきました。
もちろん動画サイトやSNSで共有する動画とDVDで再生する余興ムービーでは、DVDというモノを作るため制作にかかる機材などが異なります。
余興ムービーとBGM
動画サイトに動画をアップロードしたことがある人は分かると思いますが、余程の理由が無い限り市販されている楽曲を余興ムービーのBGMにした動画をアップロードすること自体ができなくなっています。
特にYOUTUBEなどがそうですね。このような著作権などの問題に向き合っているサイトはそのようになっています。
現在YOUTUBEで見られるプロフィールムービー、余興ムービーなどのBGMに市販の曲が使われていることがありますが、ほとんどが不正な方法でアップロードしていることになります。
余興ムービーで好きなCD楽曲の使い方
余興ムービーでの著作権の難しい話しは後述するとして、適法に余興ムービーにBGMを使う方法を紹介します。
■余興ムービーを無音でつくり、市販CDを会場で同時再生する
著作権の複製権の許諾が得ることがむずしかった頃の方法ですね。
もちろん今でもよくとられる方法です。すべての曲がバックミュージックに利用できるわけではないからですね。
この場合余興ムービーにはBGMを入れずにDVDで提出し、当日会場で好きな曲と同時再生することで、録音に関する著作権(複製権に関して)の問題自体を発生させない方法です。
同時再生の方法をとる場合は、使いたい曲は1曲にすること、そしてその曲の再生時間に合わせて余興ムービーを作るようにしましょう。
■著作権フリーの楽曲を使用する
無料配布のものもありますが、有料のものもあります。基本的に有料のものは映像制作業者向けに業務用に制作されていますので、価格も1曲3,000~2万円といったところです。
もちろん市販CDの楽曲や有名アーティストの曲はありません。
「著作権フリー 音楽」のワードで検索すればさまざま楽曲が出てきます。
■レコード会社やJASRACから許諾を受ける
この方法をとる場合、映像制作業者を通じて許諾を取るのが一番簡単な方法です。
とくにISUM(アイサム)のような著作権許諾代行団体と契約提携している業者であれば、すぐに許諾を得ることができるでしょう。ISUM(アイサム)の許諾済み楽曲のリストは8,000曲程度ありますが、リクエスト曲から許諾曲が増えていく運営上、洋楽曲が少ないです。
ISUMのリストにない有名曲を使用するには、上記の同時再生方法を選択するしかないかもしれません。
どうしても自分でやりたい場合は、JASRACやレコード会社から許諾を受けるのは個人ではなかなか難しいですが、できないわけではありません。
まずは問い合わせてみましょう。
日本レコード協会への事務手数料が加算されることがありますので、映像制作業者に代行してもらうより、申請代金が高くなることもあります。
余興ムービーのBGMに使う場合の音楽著作権について
他人が触れない自分が楽しむ範囲(私的利用)であれば、ムービー制作で音楽をどのように使っても問題はありません。
ただ結婚式となると私的な利用範囲を明らかに超えてしまいます。
映像のビデオ制作業者に限らず、本人や個人そしてご友人が映像を制作する場合も同様に著作権や著作隣接権の手続きが必要です。
市販CDにあるようなアーティストの楽曲を、著作権・著作隣接権の手続きをせず無断でDVDなどのしてしまうと、場合によっては新郎新婦にまで著作権侵害を問われることもあります。結婚式の主催者は新郎新婦ですから、主催者の責任は友人が作った余興ムービーも例外ではありません。
ですから、新郎新婦は余興ムービーも友人まかせにし過ぎてはいけません。
余興ムービーに市販の楽曲を利用するには、音楽著作権の演奏権と複製権の2つの権利について許諾を得る必要があります。
これらの代表的な管理団体は下記のようになります。
・演奏権など=JASRACなど
・複製権など=日本レコード協会など
JASRACといえば著作権ですが、ここで得られる許諾は基本的に「演奏権」のみに関してなので注意が必要です。
JASRACの説明ページでも個別にレコード会社などから「複製権」の許諾を得るように注意喚起の文言が記載されています。
いままで許諾を得るのが困難だったのは「複製権」のことで、個別にレコード会社に交渉を行ったり、日本レコード協会を経由して利用の是非や交渉を行うことで可能といえば可能でしたね。
「著作権の許諾は簡単に取れる」と説明が終わっているサイトがありますが、「複製権」の存在を忘れている可能性があるので注意しましょう。
楽曲(BGM)が自由に使える場合は?
私的使用のための複製の場合は自由にできますが、私的利用の範囲の解釈はさまざまです。
「本人まで、家族まで、………」などいろいろありますが、少なくとも結婚式で使う場合を私的利用と言うことはありません。
「私的使用」とは限られた範囲と考えておきましょう。
なお「営利目的と非営利目的」というのはあまり関係の無い誤った判断基準があります。著作物を配布する人が、「非営利目的なら自由にどうぞ」といった基準を使うことがあったために広がった基準ですね。
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